無知は悪』という言葉があるように、無知が故に善意でやった事がどんでもない事を巻き起こす事故は世界中で多くあります。あまりに細かく神経を尖らせて生きたら窮屈で大変ですが、ある程度の知識は必要。情報社会などでありとあらゆる情報を取り入れる事は困難であっても、身近に起こる事の情報・知識は知っておけば確実にリスクを減らす事はできます。ここではそんな情報をお届け。今回は「2日目のカレーのリスク」について。

カレーは二日目が美味しいんだよっ!」と自信満々に語り出したカレーで食中毒。。。
これは故意でなく、むしろ喜んで欲しいと思ってやった事が大事故にあう。
何が悪かったのか。。。責めるに責めれない。
どこに被害者家族は怒りをぶつければ良いのか。。。
食中毒の事故は故意ではない善意から起こる事が多い。問題は『無知』という事。
「ONE PIECE」の漫画の一節で、大好きだった師匠の病気を治したいという一心で、毒キノコを間違ってずっと与え続けてしまった。というシーンがあります。それは「無知」からくるもの。カレーという極めて日常的なものに潜む危険は最低限はおさえておきたいものです。

目次

カレーに潜むリスク

カレーのリスクはなんと!【2日目】から。美味しいと言われている2日目からのリスクとは。。。

ウェルシュ菌

基本75℃で1分間加熱すると食中毒菌の大半は死滅する。しかし、加熱しても死なない菌が存在する。それが「ウェルシュ菌」という菌。少量であれば問題なが原因菌の1千万〜1億個以上摂取する事により、腸管内で菌の増殖と共に芽胞が形成され同時に毒素が産生され毒素により発症する。酸素がない場所で増殖する性質(嫌気性細菌)であることが特徴の1つ。8〜20時間の潜伏期の後、水様性の下痢や嘔吐を引き起こす。5〜9月が発生のピークだが一年を通して危険はある。

発症の流れ

①ウェルシュ菌が土の中でジャガイモやニンジンなどに付着。それが、調理の時にカレーに侵入することがある。
②鍋のままコンロの上で保存すると熱に強い「芽胞」という殻を作って、その中に閉じこもってじっとしている。グズグズ煮ても芽胞は死なずに残っている
③50℃ぐらいまで下がっていくと芽胞から出てきて活動を始める。
45℃ぐらいになると一番旺盛に増殖して10分に1回、分裂をする。
⑤なんと2日まで置いておくと約200兆個にまで増える可能性がある。
⑥それを食べ、下痢や嘔吐の症状が出る。

こういった流れで発生する。特に大量に作るシチューやカレー、煮物などからの発症が多い。

ウェルシュ菌の過去の事故

<給食に出された五目ご飯を食べ感染>
翌日食べた生徒が下痢や嘔吐の症状を発症。
原因は前日に五目ご飯の具材を作り冷蔵保管。
翌日それをご飯に混ぜ使用。

<弁当に使われていた煮物から感染>
前日に大量に調理した煮物から発生。
大量に作る事により、ウェルシュ菌が発生しやすい酸素が少なく、適正温度が長く保たれやすい環境ができた。翌日、それが盛り付けられたお弁当を食べ感染。

ウェルシュ菌対策

①すぐに10℃以下まで冷やして菌の増殖を抑える。

*タッパーに小分けにすれば菌が増殖しやすい45℃の時間を短くできる。
(鍋の中では温度が下がりにくく、45℃でいる時間が長い為、繁殖しやすい)

②ウェルシュ菌は酸素が大嫌いなので、温める時にカレーをよくかき混ぜる。

*鍋をよくかき混ぜて酸素に触れさせると菌が死滅する。

プラス知識

うなぎの継ぎ足しのタレは大丈夫??

何年も鍋や壺の中で継ぎ足し継ぎ足ししているうなぎのタレは菌は大丈夫なのでしょうか?
答えは「大丈夫」。
理油としてはうなぎのタレの「材料」。これはもともと菌を寄せ付けない醤油とみりんでできており、うなぎは加熱する為菌が入らない。

まとめ

こういった知識は教わらなければ得られない知識です。死につながるまでの食中毒ではないにせよ、おこったらせっかくの行為が台無し。「知らない」という事がどれだけ恐ろしいか。しかしこういう事故は年に何件かおこっているのです。食中毒は死にもつながるものもあります。頭の中に入れておくだけでも、リスクは大幅に減ります。最低限の知識は持っておく事は大事。ここでは、こういった事例を挙げていきますので、ぜひ参照ください。身体が健康でなければ、心も健康にも影響します。